隠しておきたいモノ。
自分だけしか知らないパスワード。
もし私がいなくなったら、それらはどこに行くんだろう。
自分が消えたあとのコトって、ときどき考えたりしないだろうか。
人は誰もが死ぬときは独りだ。
しかし生きるには多くのモノが必要だ。
残された人間にとっては不要なモノが大半なのだと考えさせられる。
遺品整理屋さん、天国の引越し屋さんの物語
【アントキノイノチ】 原作は、さだまさしさん。
主人公は岡田将生くんと榮倉奈々さん。
2人の先輩にネプチューンの原田泰造だ。
亡くなった方の遺品整理。
テーマは目で観る情報の限りでも【イノチ】
うん、重い。
このDVDを見かけるたびに、借りるか迷い、また次回へと先延ばしにしていた。
ようやく借りた今回も、返却ギリギリまでDVDを再生できずにいた。
すでに感想とはズレているけれど、
最近、映画は原作への入口なのだと感じる。
映画【告白】を見て、原作を読む。
今回もDVD返却してから、原作を借りに行くところだ。
少しネタバレになるかもしれない。
冒頭の岡田くん。
全 裸 。
びっくりして、観ちゃいますよね。
そこが入口。
傷を抱えた同年代の2人。
距離が縮む時間は、そうかからない。
実際にそうだとも思う。
同年代で共通点があれば、
ちょっと同じ匂いを感じれば
自然と近づきたくなるものだ。
2人は、遺品整理屋さんとして働くことでイノチと正面から向き合っていくことになる。
高校生の時に、イノチの重さを受け止めきれず生きるバランスを壊した2人。
バランスを整えるために辿りついたのが、天国の引越し屋さんだった。
みて見ぬ振りして生きるのが人間であり、生きるためには見なくてよいモノもある。そして見とくべきモノがある。
必要なモノを選び、不要なモノは捨てる。
物語の前半に、ご供養品とご不用品に
榮倉奈々が分けているシーンがある。
他人の目で判断されるとは、
仏様も想像していなかったことだろう。
そのシーンがとても印象的だった。
おそらくは、自身が生きていて、モノをたくさん所有しているから。
それは生きているから、物欲があるからこそ感じられる違和感。
さて、吐き出しておきたいコト。
自身に問う。
「げんきですか~」
「イノチ、元気ですか~?」
あの時のイノチ、生きていますか?
今を生きてますか?
伝えたいコト、言えてますか?
隠したいモノはどこですか。
見られても大丈夫ですか。